仏教の教えのひとつである布施には、《財施(ざいせ)・法施(ほうせ)・無畏施(むいせ)》、
3つをあわせて三施と呼びます。
・財施とは、清らかな心で食べ物、お金、衣服を施すこと。
・法施とは、具体的な物質ではなく、お釈迦様の教えを説いたり、お経をあげたりすること。
・無畏施とは、さまざまな恐怖や不安を取り除き、穏やかな心持ちにさせること。
お坊さんが読経して故人の成仏を祈ったり、
お釈迦様の教えを説いて遺族の心に安寧をもたらしたりする行為は、法施と無畏施。
遺族が僧侶やお寺にお布施を渡すのは財施です。
お布施によって、お坊さんはお寺を維持して、ご本尊を守れます。
お布施は、お寺と檀家が一緒にご本尊を守るためにあるともいえるでしょう。
お布施を入れる袋の種類
お金は奉書紙と呼ばれる半紙に包むか、白い封筒に入れ、水引は掛けないのが特徴です。
奉書紙(ほうしょし)とは、
原料に楮(こうぞ)を使用した柔らかくて丈夫な紙です。
葬儀では金額が大きく厚みが出るため、奉書紙の方が向いています。
最近では金額が大きい用のお布施袋や桐箱なども販売されています。
水引は物事を浄化し、邪気を払う力があるといわれています。
香典には水引のかかった袋を使用しますが、
お渡しするお寺に不幸があったわけではないので、お布施には水引は不要です。
一部の地域では水引付きの不祝儀袋を使うこともありますが、
魔除けの意味をもつ水引は、基本的にお布施には必要ありません。
お布施で一般的に使われるのは白無地の封筒。
宗派や仏事に関係なく使えるので、迷ったときは白無地の封筒を選ぶのが無難です。
白い封筒を使用する際は、お札が透ける薄手の封筒や、不幸が重なることを連想させる二重封筒は避け、
郵便マークが入っていないまっさらな厚手の封筒を使用しましょう。